日本人にとって神社とは

日本人にとって神社とは

「神社の歴史を勉強したい」
「神社参拝のマナーが知りたい」
「神社本庁って何?」

神社は日本固有の宗教である神道の神殿であり、神道で信じられている神様を祀る神殿です。
お寺は仏様を祀っているのに対して神様を祀るための建築物なのです。
神社の敷地に入るには鳥居をくぐりますが、これは人間の住む俗世界と境内を分ける結界であり、境内というのは結界の内側のことで神聖な場所という意味です。
ただし鳥居だけが結界というわけではなく石段の段差や注連縄などもそのひとつで、そういった目印となるものでふたつの世界が分けられていると考えます。
これは寺院や仏閣においても同じことで門や扉などが異なる領域を分ける役割を果たしているのです。

神社本庁とは

国内にある神殿には様々な神様が祀られている

国内にある神殿には様々な神様が祀られています。
古来より万物に神が宿ると考えていたことから山や滝、岩などに神が宿るとして神聖視し、日常生活の中にある自然と区別してきたいきさつがあります。
巨木に注連縄が張られている、山を神体と考えるといった風習が現在も残っていることからも分かるとおりで、こういった考え方が地域を守る産土神や、歴史に名前を残すような英雄や人物を神として祀るようになったのです。
また自然信仰が本来の姿だった神道において神殿という考え方はありませんでしたが、仏教の影響から社を建てるようになりました。
ただし同じように祀るという意味をもつ建築物でも、死に対する考え方は大きく異なり、神道において死は穢れであり不浄・不潔なので避けるべきもので聖なる神がいる世界に持ち込むことは許されないことから社内で葬儀がおこなわれることはないのです。

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森羅万象に宿る神様

それでは神社で祀られている神様とはどういうものなのかというと、森羅万象に宿る神様です。
日本に古くからある考え方で、巨木に注連縄が離れている、山を神体として祀っているのもそのためです。
じつは神殿に祀られているのは仏像のようになにかの像があるわけではなく、鏡や刀といった神器が祀られています。
なにを神器として祀るかは違いますが、いずれも神聖な力を宿した物体であり神が寄り付くための道具なのです。
日本神話に登場する三種の神器もそうですが優れた神器は神が作ったものであり、神が宿るのに相応しいものです。
そして参拝した人は、神殿に安置された神器に向かって祈ることで神器を介して神と対話をしていると考えられています。
日本国内には約8万社とも11万社ともいわれる神社がありますが、寺社のような庭園や特徴的な伽藍配置がないので見て楽しむには少し物足りないかもしれません。
ですが、日本人が古来より信奉してきた神様の存在を感じることができる点が面白いといえます。
もともと特別なものがある、なにがしかの伝承がある場所に建てられるわけですからそこに行くとなにか言葉にしづらい独特の雰囲気を肌で感じることができるはずです。
そしてまた別の神社を参拝し、前に感じた雰囲気や気配と違った気配を体感する、それを繰り返すこともそれぞれの神社の違いを楽しむことです。

神殿で参拝するときのマナー

神殿で参拝するときはマナーを知っておくと良いです。
神殿があるのは結界内の神聖な場所であることから、きちんと作法を守った方が神様に対する印象が良いといえます。
人間同士でも失礼な人と会話するのが嫌なように、荒々しいところもある神様も同じように感じられるかもしれないからです。
参拝のマナーですが、まず鳥居をくぐって境内に入るときは一礼してから足を踏み入れます。
このとき通るのは中央より少し端の方です。
真ん中は正中といって神様が通る道なので人間が踏み込むことのないよう注意します。
次は手水を使って体を清めて穢れを祓います。
まず右手に柄杓で水をすくって左手にかけ、柄杓を持ち換えて反対の手を清めます。
今度はもう一度右手に柄杓をもって左手の手の平に水を受けて口の中を清めて完了です。
元に戻すときは柄杓を縦にして手にした部分に水を流します。
参拝は二礼、二拍手、一礼がマナーです。
お辞儀はゆっくりと丁寧に腰を90度にする最敬礼を二回おこないます。
二拍手ですが、まず胸の前で右手を少し下にして両手を合わせた状態からゆっくりと肩幅程度に両手を開き二回打ちます。
このときパンパンと大きな音ほど拝殿内に清々しく響きます。
柏手を打つ理由についてはいろいろいわれていますが、大きな音を立てることで穢れを祓うためや、お願いしていることを神様に気付いてもらうためだとされています。
二拍手が終ったらもう一度最敬礼して終了です。
参拝する社によっては一般的なマナーと違うことがあるので表示に従うことが大切です。
鈴や賽銭箱がおいてある場合は賽銭を入れて鈴をならしてから拝礼するのがマナーです。
鈴の音には穢れ祓う力があると考えられていることから鈴を鳴らすことで穢れを祓うのです。

まとめ

最後に知っておきたいこととして参拝の際の神へのお願いについてですが、個人的なお願いをすることが一般的かもしれませんが、参拝とはもともと平穏無事に過ごせることへの感謝を献げる意味も含まれているので、守ってもらっていることに対するお礼とこれからも世界が平穏であり平和であるようにとの祈りも一緒に捧げるようにします。

最終更新日 2025年5月30日

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