建設業界にも新しい動きが始まっている

建設業界にも新しい動きが始まっている

建設業界は従来は様々な建物を建築して販売すると言うことが大きな業務となっていました。
しかし最近では日本は人口が少なくなっている上、様々な環境も従来に比べて大きく変化しているため、この業界の役割も大きく変化しています。

そのため仕事の内容も従来に比べて非常にその範囲が広くなっており、これまで考えられなかった様々な動きが見られるようになってきました。
その中には建築とはあまり関連性のない新たなものもあり、異業種との融合も非常に頻繁に行われているのが実態です。


 

ゼネコンの業務

建設業界と言うとゼネコンを思い浮かべる人も多いのですが、基本的にそのゼネコンも従来とは事業内容が大きく異なっています。
これまでゼネコンの業務と言うと公共事業のために道路や橋などを建築したり、様々な建物などを建築することが主な仕事でしたが、現在ではこれらを建築した後の様々な業務も執り行っているのが実態です。

その中でも近年頻繁になっているものに建築した物件の維持管理を行うと言うものがあります。
これは従来は建築した物件を様々な顧客に対して売却することが主な仕組みであったのに対して、自らがその物件を所有し必要な相手に対してリースなどの形で貸し出すと言うものです。

基本的に機能を維持する事はゼネコン自らが行い、これを毎月リース料を受けながら顧客に貸し出すことで、顧客はメンテナンス費用や維持管理などを気にせずにその設備を利用することができる仕組みとなっています。

建築物の老朽化やその維持費にかかる費用の問題

これが非常に受け入れられているのには、近年話題となっている様々な建築物の老朽化や、その維持費にかかる費用の問題などが大きな要因となっている事は言うまでもありません。
高度成長期に作られた高速道路や様々な建物などは、その後約半世紀を経てほとんどのものが老朽化しており、その回収が必要となっています。

しかしそのほとんどが同じ時期に建築されているために、これらのメンテナンスを行う事は決して簡単なことではありません、費用面でも大きな問題になっているほか、実際に様々なトラブルを発生させている例もあるため、迅速に行わなければならないことになります。

しかしほとんどの物件は1つの団体でその数多くが維持管理されていることもあるため、費用的な負担が大きくなかなか進まないというのが実態です。
このような経験を踏まえて多くの顧客は自らこれらの資産を所有することを嫌う傾向が強くなっており、必要な期間だけ利用すると言う形を選ぶことも多くなっているのです。

リースによる様々な利用が展開されることが多い

そのため最近では様々な不動産物件では既にこのリースによる様々な利用が展開されることが多くなっています。
マンションなどの居住施設の場合でも、従来は分譲や売却を行う業者が建築会社が設立した建物を買い上げ、自らの資産にして行うことが多かったのですが、最近では建物をリースの形で借り受けて、これを最終的な利用者に貸し出すと言う仕組みを利用することが多くなっているのです。

建築会社は自ら所有するためにそのリース費用を毎月受け取ることができ、さらに最終的な利用者に貸し出す業者は家賃収入を得ることでその利益を生み出すことができます。

加えて利用者に貸し出す業者は建物の修繕にかかる費用を負担しなければならないと言うリスクを負うことが少なくなり、非常に効率的に運用することができるのです。
このような建物のリースの仕組みも近年の建築業界の中では一般的に利用されるようになっており、単純にマンションなどの居住施設だけではなく、近年では公共事業施設などもこの形で運用をされていることが少なくありません。

不動産に係る様々な税金が建築事業者に請求される

ただしこの方法には大きなリスクも伴います。
建物の所有権が建築業者自体に帰属するために、不動産に係る様々な税金が建築事業者に請求されると言うことになることから、その負担が大きくなると言う問題です。
加えて法人税の部分では設備の所有が増えるために、法人税が非常に大きくなってしまうと言う問題もあります。

これらの問題を解決するためには、その細かな部分を十分に分析し、企業の負担に対する影響を考慮した上で行うことが必要となるのです。
加えて近年ではこのような物件を一括的に買い上げて利用者にリースをすると言う新たな業種も生まれています。

これらは従来は不動産業に非常に近い位置づけとなっていましたが、近年では建設業界の1つのビジネスと認められる風潮が強くなっているのです。
その理由は建築会社自体がこれらの業務を専門的に行う子会社を設立し、様々な必要な不動産に関する免許などを取得した上で行っていることも多く、広い意味での建設業界の重要な収益源となっていることも否めません。

まとめ

建設業界は以前は建物を建築することに集中し、これを売却することで一時的に高い利益を上げるビジネスモデルが一般的となっていました。
しかし現代ではこの建築した物件を効果的に利用し、継続的に利益を上げるためのビジネスモデルが模索されており、リース等の方法もその1つと高く評価されているのです。

最終更新日 2025年5月30日

建設業界は従来は様々な建物を建築して販売すると言うことが大きな業務となっていました。しかし最近では日本は人口が少なくなっている上、様々な環境も従来に比べて大きく変化しているため、この業界の役割も大きく変化しています。 そ…